ダウン症の原因、症状
俺は医者ではないが、親族がダウン症の人がいてダウン症については随分調べた。
それなりに調べたし、医者にも聞いたし、普通の人よりもある程度の知見は得たはずだ。
俺の子供が出来た時、羊水検査はしなかった。
生まれた後、退院するまでに、医師から何も言われなかったときは実は内心すごくホッとしたことを覚えている。
その辺りは、ここでも書いた通り。
ダウン症の原因と症状は次の通り。
Wikipediaからの引用です。
ダウン症患者の染色体。22対の常染色体のうち21番染色体だけは3本の組(トリソミー)になっており、これがダウン症候群を引き起こす原因である。右下に見えるXとYは性染色体。
ダウン症候群(ダウンしょうこうぐん、英: Down syndrome)は、体細胞の21番染色体が通常より1本多く存在し、計3本(トリソミー症)になることで発症する先天性疾患群である。多くは第1減数分裂時の不分離によって生じる他、減数第二分裂に起こる。新生児に最も多い遺伝子疾患である。症状としては、身体的発達の遅延、特徴的な顔つき、軽度の知的障害が特徴である。平均して8-9歳の精神年齢に対応する軽度から中度の知的障害であるが、それぞれのばらつきは大きく、現時点で治療法は存在しない。教育と早期ケアによりQoLが改善されることが見込まれる。
ダウン症は、ヒトにおいて最も一般的な遺伝子疾患であり、年間1,000出生あたり1人に現れる
ダウン症は妊婦の出産年齢におおきく依存する。
・20代では1667人に1人
・30歳では952人に1人
・35歳では378人に1人
・40歳では106人に1人
・45歳で30人に1人
って書いてある資料があった。
高齢になればなるほど、ダウン症のリスクは高まる。
卵子が高齢になると劣化するだろうから、細胞分裂がうまく出来ないんだろうか?
最初の細胞分裂で、トリソミーが発生すれば、それ以降の細胞分裂はすべてコピーの繰り返しなので、すべての細胞でトリソミーが発生する訳だ。
ダウン症は幸せ
ダウン症が遺伝性疾患であることは間違いない。
ところが、幸せと言う尺度に合わせると結果は意外だ。
厚生労働省の研究チームが行った、あるアンケートについてだ。「ダウン症」のある人に「毎日幸せに思うことが多いか」と聞いたところ、「はい」「ほとんどいつもそう」と答えた人が9割を超えた。
ダウン症だからといって不幸せではない。
これは勇気づけられる結果だ。
ダウン症はガンになりにくい
ダウン症はガンになりにくい。
ダウン症患者はめったにがんにならない。長年の謎なのだが,もしかすると抗がん遺伝子の数が通常よりも多いためではないかと考えられてきた。ダウン症は21番染色体が1本多いために起こる病気だからだ。
21番染色体には231個の遺伝子があるが,その1つであるDSCR1遺伝子が1コピー余分にあると腫瘍の拡大が抑えられることを,ボストン小児病院の研究者たちがマウスとヒトについて確認した。同遺伝子はカルシニューリンという酵素の働きを妨げることによって,がんが必要とする血管ができるのを抑えている。新たながん治療薬のヒントになりそうだ。また,21番染色体には血管新生を阻害する遺伝子が4つか5つ存在する可能性があるという。
ダウン症患者はガン研究にも貢献できる。
ダウン症の根治治療
一方で、ダウン症そのものには根治治療はない。
NPO法人アクセプションズからの引用。
https://acceptions.org/?page_id=660
根本的治療は出来ない
・人を形成している細胞は、もとはたった1個の受精卵が細胞分裂により、成人で約60兆個という膨大な数となっています。ダウン症のある人はその身体を作っている全ての細胞で21番染色体が1本多いのです。従い根本的な治療方法は、60兆個の細胞について60兆個の21番染色体の過剰な1本だけをそれぞれから取り除くと言うことです。赤ちゃんの時でも3兆個もの数となり、現在の技術をもってしてもこのような根本的治療は不可能です。
遺伝病なので、現在の所、根治治療はない。
果たして1個の細胞ですら、傷つけずに21番染色体の1本を正確に取り除けるものだろうか。
顕微鏡なんかを使ってそんなことできるんだろうか?
臓器とか脳とかもあるだろうから、60兆個もの細胞から余分な1本を取り除くなんて無理だろう。
ちなみにモザイク型のダウン症は、21番染色体が2本と正常なものと3本のものが混在するらしい。
モザイク型の場合、ダウン症の疾患の症状は軽いらしい。
ところで、根治治療を研究しておりある程度の成果が見込まれるものはある。
ダウン症の根治治療
X染色体の不活性化
ダウン症の根治治療として有効でないかと思えるものはある。
ダウン症と同様に同じ染色体が2本あるものがある。
性染色体だ。
男性はXYであるのに対して、女性はXXだ。
女性はXが2本あるが、一本のXを酵素により不活性化することにより、X染色体の発現量を抑えることが出来るらしい。
この仕組みと同じことを、ダウン症に応用すればよい。
以下のブログからの引用。
しかし、ヒトの22組の常染色体に加え、最後の23組目の染色体にあたる性染色体では、正常なヒトでも、ダウン症に見られるような余分な1本がいつ悪さをしてもおかしくない状況になっていると聞くと驚かれるかもしれません。性染色体はX染色体とY染色体の2本で1組であり、男性はXYの組み合わせ、女性はXXの組み合わせであることはご存知の方も多いでしょう。
この組み合わせをよーく見ると気づくことはありませんか?男性はX染色体が1本なのに対し、女性は2本ありますよね。これって、ダウン症にみられる3本の染色体とよく似た状況だとは思いませんか?この余分な1本のX染色体のせいで、女性ではX染色体からの遺伝子発現量が過剰にならないのでしょうか?
世の女性が例外なくピンピンしているのを見ると、そこは過剰にならないようにうまく制御されていると考えるのが自然であり、事実、女性にはその余分な1本のX染色体からの遺伝子発現をほぼ完全に抑制する、X染色体の不活性化と呼ばれる仕組みが備わっているのです。
ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、ここまでの説明で勘のいい方は気づいたかもしれませんね。ダウン症の根本的治療法を。余分な1本のX染色体を不活性化できるのなら、余分な1本の21番染色体だって不活性化できるんじゃないかって。まさにそれと同じことを考え、培養細胞ではうまくいったよとNature誌の速報(電子版)に7月17日付けで発表したのが、米マサチューセッツ大学病院のJun Jiang氏らのグループです。
XistがX染色体の不活性化に必要な遺伝子として発見されたのは、今から17年も前の1996年のことでした。またその翌年、1997年には、Xist遺伝子をX染色体以外の染色体に移すと、移された先の染色体からの遺伝子発現も完全に抑えることが証明されました。こんなにも早くからXistを、ダウン症治療、すなわち余分な21番染色体からの遺伝子発現抑制に応用できる可能性が示されていたんですね。にもかかわらず、その実現の第一歩に過ぎない今回のJiang氏らの成功にすら、その後15年以上の歳月を要することになったのです。科学の発展は一筋縄ではいかないようです。
これも2013年ごろの記事なのですが、まだまだ進捗はないようですが根治治療として最も期待できるんではないでしょうか。
アルジャーノン
以下は京都大学の成果。
ダウン症は約1,000人に1人の確率で発生し、最も多い染色体異常と言われています。知的障害や先天性心疾患など様々な合併症を伴います。ダウン症は体細胞の21番染色体が1本多く計3本あることで、過剰な遺伝子の働きにより引き起こされます。
DYRK1A(Dual-specifity tyrosine phosphorylation-regulated kinase 1A)は21番染色体上に存在する遺伝子の一つで、ダウン症の人で過剰に発現していることが分かっています。また、ダウン症モデルマウスやダウン症iPS細胞では神経幹細胞があまり増えず、神経幹細胞により供給される神経細胞数の低下が脳構造の発達不全の原因の一つであると考えられます。現在はダウン症の出生前診断も可能となっていますが、根本的な治療法はまだないのが現状です。
本研究グループは、ダウン症で低下している神経幹細胞の増殖を促進する化合物を探索し、候補化合物アルジャーノン(ALGERNON:altered generation of neuron)を取得しました。アルジャーノンはDYRK1Aの働きを抑制する活性をもち、ダウン症iPS細胞に加えると神経幹細胞が正常に増えるようになりました。またアルジャーノンをマウスに投与すると、神経幹細胞の増殖を促すことが確認されました。妊娠マウスにアルジャーノンを投与したところ、ダウン症マウス仔の大脳皮質の形成異常および低下した学習行動が改善されました。このことは、胎児期にアルジャーノンを投薬して神経幹細胞の増殖を促すことにより、神経幹細胞の増殖低下により引き起こされる脳構造の異常を改善できる可能性を提示しています。
今回発見した化合物アルジャーノンは神経幹細胞の増殖を促進します。神経幹細胞は発生期だけでなく成体(大人)にも存在することから、今後は神経新生が関与していることが示唆されている学習・認知分野(アルツハイマー病など)やうつ症状、神経細胞が脱落する神経変性疾患(パーキンソン病、ハンチントン病など)、脊椎損傷など、他の疾患への適用が期待されます。
胎児期にダウン症が見つかった際に、アルジャーノンは効果を発揮しそうです。
いつダウン症が根治治療可能か?
で、多くの人が知りたいのが、いつダウン症の根治治療が可能になるか?ですよね。
iPS細胞における再生医療の進化、その他の研究成果を考えると2040年代には根治治療の発見がされるのではないでしょうか。
再生医療については次の通り。
いずれにせよ、今、ダウン症と診断されているご家族の皆さま、大変なショックを受けていると思います。
でも、あきらめないで欲しいところです。
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2045年はシンギュラリティ(技術的特異点)
ところで、2045年はシンギュラリティ(技術的特異点)が訪れると言われています。
科学技術の発展により、人工知能(AI)の研究開発が加速することで、我々の暮らしは豊かなものになると考えられています。一方で、2045年には人工知能は人間の脳を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)に到達するといわれています。
さて、ダウン症は人工知能によって解決されるんでしょうか。
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