『カメラを止めるな!』は、2017年製作、公開の日本映画。監督&俳優養成スクール・ENBUゼミナールの《シネマプロジェクト》第7弾作品。
低予算にもかかわらず、予想以上の長期ヒットになりました。
あらすじ
「カメラを止めるな」のあらすじは次の通り。
とある郊外の廃墟でゾンビものの自主映画の撮影が行われていた。その建物には、かつて日本軍が死体を蘇らす実験をしていたという忌まわしい都市伝説があった。クライマックスシーンの撮影中、監督はヒロイン役の女優の演技に本物の恐怖が足りないと苛立ち、建物の屋上に血糊で禁忌のサインを描く。すると、カメラマンが血まみれのゾンビと化して、ほかの撮影スタッフも次々と犠牲になっていく。狂気に取りつかれた監督は、逃げ惑う女優たちを追いかけ、ハンディカメラで撮り続ける。屋上に追いつめられた女優は、ゾンビ化した恋人の首を斧ではね、ついには生身の監督にも刃を振り下ろす。生き残った彼女は屋上に描かれた五芒星のサインの上で立ち止まり、惨劇の余韻に浸るように、返り血に濡れた顔で空を見上げる。
このラストシーンの後、ここまでの映像が、実は、ゾンビ映画専門チャンネルの開局記念番組として企画された「30分間生放送、カメラ1台でワンシーン・ワンカット撮影」というゾンビドラマ『ONE CUT OF THE DEAD』の映像であったこと、すなわち劇中劇であったことが明かされる。そして場面は、この撮影・放送より前の時間軸に遡る。
放送1か月前、映像監督の日暮隆之はこの番組のオファーを受け、一度は断ったものの、娘の真央が好きな俳優が出演すると知り、監督を引き受ける。ヒロイン役は業界慣れしたアイドル女優、恋人役は理屈っぽいイケメン男優、脇役も一癖ある役者が揃い、生放送で放送事故を起こさぬよう、カメラマンや現場スタッフを交えて撮影手順のリハーサルを重ねた。しかし、本番当日になって監督役とメイク役が交通事故でロケ地に到着せず、芝居経験のある日暮と妻の晴美が代役を演じることになる。
本番が始まってからも予期せぬトラブルが続出。カメラマン役やマイクマン役が勝手な行動をとり、撮影隊のカメラマンは持病の腰痛で動けなくなり、メイク役の晴美は芝居にのめり込んで暴走する。その都度、役者のアドリブで間を繋ぎ、裏方の指示で台本のシーンを飛ばしたりして、何とかストーリーを進行していく。見学に来ていた真央もスタッフに加わり、普段は見ることのできない日暮の映像作家としての気概に触れる。
そして迎えた屋上のラストシーンも、カメラクレーンの破損というトラブルが起きるが、スタッフ・役者一同が人間ピラミッドを組み、その頂上で真央がカメラを構えて予定のハイアングルカットを撮り、無事撮影を終了した。この機転は、日暮が台本の裏に貼っていた家族写真を見て、真央が思いついたものだった。その写真の中では、カメラを手にした幼き日の真央が日暮に肩車され、ふたりで笑いあっていた。
キャスト
「カメラを止めるな」のキャストは次の通り。
日暮隆之
演 – 濱津隆之
映像監督。バラエティ番組の再現ドラマやカラオケの背景映像などの仕事が主で、「速い」「安い」「質はそこそこ」な仕事を取り柄とする。新規に開局するゾンビ映画専門テレビ局「ゾンビ・チャンネル」の開局記念企画として、約30分ノーカット生中継のゾンビドラマ『ONE CUT OF THE DEAD』の制作依頼を受ける。妻と娘の3人暮らしで、娘を小さい頃から可愛がっている。
日暮真央
演 – 真魚(幼少期 – 左右田陽菜)
日暮監督の娘で大学生。バスケットボール部出身。父と同じ映像制作の世界に足を踏み出すが、こだわりの強さとやる気が空回りしてなかなかうまくいかない。妥協を重ねる父の作品には興味がない様子。神谷のファンで、晴美に誘われ父の制作現場に出向く。年配の女性に対する口が悪いのが欠点で、感情的になると我を忘れて口調が荒くなる。
日暮晴美
演 – しゅはまはるみ
監督の妻。元女優だが、役に入り込みすぎる性格のために、事実上の業界追放ともいえる引退を余儀なくされた。以来、代わって打ち込めるものを探し多数の趣味に手を出すが長続きしない。現在の趣味は42番目の段階まで来ているなど、ある程度続いている。夫の仕事については、その台本を暗記するほどに読み込む、良き理解者である。
松本逢花
演 – 秋山ゆずき
ノーカットドラマ主演の女優役アイドル。決め台詞は「あいたんビーム」。「自分は構わないが事務所が」という口実で演出に複数のNGを出し「よろしくでーす」という気のないセリフで締めてしまう。
スピンオフドラマでは金髪の役を演ずる。
演ずる秋山はENBUゼミナール組ではなく、監督の上田の作品には3作目の出演となる、監督推薦のゲストとして本作品に参加。
神谷和明
演 – 長屋和彰
ノーカットドラマの男優役。かなりの売れっ子イケメン俳優である。役作りにおいては、リハーサルの段階から監督との議論も辞さないなど、自分の意見を強く持ちこだわりの強い性格。親から叩かれたこともない、いわゆる「今どき」の青年。
細田学
演 – 細井学
ノーカットドラマのカメラマン役。中年男性で日暮とは現場で長い付き合いがある。かわいがっている娘がいる。自称「最悪だけど面白い人生」をおくっている。ある依存症を抱えている。
山ノ内洋
演 – 市原洋
ノーカットドラマの助監督役。メガネをかけている気弱な俳優。自身の出演シーンでは目立ちたいと考えている。あるものを浴び、絶叫する。
山越俊助
演 – 山﨑俊太郎
ノーカットドラマの録音マン役。監督助手に対して事前にメールで細かな条件を複数指定してくる面倒臭い性格。ある疾患を抱えている。疾患により生じた状況で涙するなどナイーブな一面を持つ。
古沢真一郎
演 – 大沢真一郎
「ゾンビ・チャンネル」のラインプロデューサー。この企画の責任者だが、あくまで仕事は仕事として割り切る性格。出演者に差し入れを行うなどマメな一面もあるが、騒動を引き起こしてしまう。
笹原芳子
演 – 竹原芳子
「ゾンビ・チャンネル」のテレビプロデューサー。この企画の総責任者だが、性格は超適当[36]。飄々とした業界人といった風情で、飲み会に行くことが好きな模様。
吉野美紀
演 – 吉田美紀
監督助手のスタッフ。いわゆる中堅AD[36]。いつも帽子をかぶっている。概ね堅実な仕事ぶりであるが、とっさの状況に対する反応が柔軟とはいえない。
栗原綾奈
演 – 合田純奈
監督助手のスタッフ。いわゆる新米AD[36]。稀に方言が出る。運動は苦手な模様。
松浦早希
演 – 浅森咲希奈
撮影助手のスタッフ。撮影手法に独自の考えを持っており、仕事に対する意欲が高い。
谷口智和
演 – 山口友和
撮影のスタッフ。松浦を一人前と認めておらず、松浦から提案された撮影手法に対し同意していない。ある疾患を抱えている。
演ずる山口はシネマプロジェクト第7弾のもう1作品の監督・岡元雄作の推薦を受け本作品に参加。
藤丸拓哉
演 – 藤村拓矢
音響効果のスタッフ。関西弁。
演ずる藤村は山口と同じく岡元の推薦を受け本作品に参加[39]。
黒岡大吾
演 – イワゴウサトシ
ノーカットドラマの監督役。台本をよく読みこもうとしている。ある人物と親密な関係であることを隠さない。
スピンオフドラマでは登場しない。
相田舞
演 – 高橋恭子
ノーカットドラマのメイク役。人妻で、生まれたばかりの赤ん坊(演 – 上田朔太郎)がいる。
スピンオフドラマでは登場しない。
温水栞
演 – 生見司織
特殊造形・特殊メイクのスタッフ。ベテラン。
内容面白い?
3部構成。
1部が、いわゆるホラー映画。これはよく出来ている。ここを見ると本当にホラー映画かと思った。
2部は、1ヶ月まえに遡って、どうしてホラー映画を撮影することになったかの説明。
3部は、ホラー映画撮影の舞台裏。いわば1部のネタバレ。
3部でようやく1部がどうやって撮ったかが分かるっていうオチ。
確かによく出来ている。
面白い。
制作費も安い、名もないキャストばかりの映画だけど、徐々に人気が出たのが分かる。
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